作者松井優征

ジャンプ・コミックス
週刊少年ジャンプ連載

作品紹介
突然月が破壊され半分になった。そして月を破壊した謎の超破壊生物は、進学校である椚ヶ丘中学校の3年E組の先生になることを希望し条件付きで認められた。E組は「エンドのE組」と呼ばれていて、進学校のなかの落ちこぼれクラスであり、山の上の隔離校舎に追いやられて本校の生徒や教師に差別されているという環境。そんなクラスの担任となった超破壊生物は来年の3月に地球も月と同様に破壊するつもりであり、E組の生徒はこの超破壊生物から授業を受けながら、その期限までにその生物を暗殺しないといけない。
ここまで

5月になり、殺せんせーが担任になってから1ヶ月が経ったところから2巻はスタート。2巻は新たに英語教師としてイリーナ・イェラビッチという美人でスタイル抜群の女性が赴任してくる。

彼女の絵を見てもホント松井先生の画力が上がったなぁと思う。まぁそんな彼女も暗殺者な訳だけど、そのハニートラップに普通に喜んでいる殺せんせーはだらしないながらもただの恐怖の暗殺対象という存在ではないと思わせる。デレデレなのは教師としてどうなのかと思うけど親しみやすさは感じるね。

プロとして殺せんせー相手には見事に女性の武器を使うが、生徒相手にはあくまでも先生を演じる気などないと宣言する彼女には生徒の嫌悪感が溜まっていくなか、「イェラビッチお姉様」と呼べといわれて咄嗟に略してビッチ姉さんと呼ぶカルマが良いキャラしている。相手を問わずおちょくるカルマのおかげでシリアスさを良くも悪くも軽減していると思う。単行本おまけのキャラプロフィールで将来の夢「悪の官僚」やら「中三病」を流行らせたいとかなってるし場の空気を壊すにはもってこいのキャラだな。

そしてそんなビッチねえさんも常識の範囲内で暗殺計画を立てたことにより見事に失敗。ご丁寧に謎の粘液付きの触手によって「手入れ」をされてしまう。ジャンプ連載作品で先生が触手責めをするというのはあからさまなそっち向けの作品以外だとなかなかないんじゃないかな。もちろん直接描写はないんだけど、汚れた大人の視点から見ると色々と想像してしまうんです。殺せんせーも悪い大人の顔をしていることだし。しかしシャツinの体操服とはマニアックな・・・
さらにその後の、生徒から反発され学級崩壊状態になったビッチねえさんはまさにツンデレでかわいい。烏間からこの教室では、それぞれが「教師と暗殺対象、生徒と暗殺者」という2つの立場を両立している話を聞いて反省する彼女の、これまでの経験に基づいた会話術を教えて生徒たちに謝った時が特にそう思う。まぉ先生として認められても呼び名はビッチ先生というのが本人的にはイヤそうだけどね。それと学級崩壊状態時にちゃっかり茅野が「脱巨乳」をアピールしているのが微笑ましい。あまり掘り下げられていないけど、スタイルを気にするキャラってのは個人的に好み。

次の話では理事長浅野學峯(あさのがくほう)が登場するのだけれど、だいぶ手強い感じ。彼の求める合理性はたしかに納得できる点もある。だけど行き過ぎじゃないのって思ってしまう。実際に競争に負けたらどうなるかってのを学べることはいいけれど、もとのクラスに戻る救済措置が実質機能していないってのはよろしくないね。一度挫折したあとにまた頑張れるくらいの臨機応変さが社会では必要だと思うし。しかし掲載時も思ったけどやっぱり理事長が渡した知恵の輪の形が「6」っぽいのが混じっているのが気になるね。前作がああだっただけにこういうところに伏線しこんでそうだしな。なんか殺せんせーの過去を知っているみたいだから底が知れない。

終盤は修学旅行の話ということで、展開早いなーという印象。学園物だと修学旅行は一大イベントだから、もっとキャラの掘り下げが終わった後や物語の中盤以降でやるっていう場合が多い気がするからそう感じる。でも京都は暗殺の聖地でもあるという言葉には納得させられた。
そして明らかにはしゃいでる殺せんせーや着替えさせられているビッチ先生など、生徒以上に先生たち大人組が見てて楽しい。
修学旅行の班分けでは渚たちの班に神崎さんが入るが、不良たちに連れ去られてしまった。台無しのところで時事ネタを取り入れているのが相変わらずの作風だなと思うけど、暗殺教室では珍しいような。

今巻ではそれぞれのエピソードで「第二の刃」を用意することの大事さが示されていたと思う。このように直接「第二の刃」に言及したテスト編だけでなく、その両脇のエピソードでも準備することの大事さを提示していて、その物語展開に感心した。

最後に巻末では「斉木楠雄のΨ難」とのコラボ漫画が載っている。出身地が同じという縁での企画で、ネタとしてはローカルなんだけどそれでも普通に面白いから両先生とも凄い。超能力者と超生物によるハイスペックの無駄使いが面白かった。

暗殺教室 1巻感想はこちらから